イヤモニの話 その6:カスタムイヤホンの世界へ
カスタムと言えば、やはり業界の雄、Ultimate Earsに尽きます。最初のUE製品はue 10 proでしたが、豊かなロー、ハリのあるミッド、きらびやかなハイと、いまだにマイリファレンスモニターです。音質だけではなく、ケーブルコネクタ一つとってもノウハウが詰め込まれています。 あの超小型サイズに、ヘビーユースに耐えながらも必要に応じた着脱が可能な機構+位相逆挿しをしない工夫が盛り込まれ、メモリワイヤーまでもを強固に埋入させるあたり、簡単なようで、大変考えられた構造です。で、このあたり特許がらみっぽかったこともあり(笑)、現在の方式を取るに至っています。 Westoneタイプもシンプルで良いのですが、横方向の力に対しどうしても引き抜きの力が加わり、かつピン自体も曲がりが生じてしまいやすくなります。ピンと挿入部の露出から汗が侵入し易くなるため、腐食からピンが固着、外部応力でピン破断、そのピンが取れねーっ!というトラブルも・・・。 Ultimate Earsではコネクターとハウジングが一対となり、引き抜きにはフリクションで、横方向に対してはハウジングによる外側規制により維持強度確保が図られ、ピンのコンタクト部を汗の侵入から守るという一粒で3度も4度も美味しい機構に。この辺、業務用としては音質以上に重要です。 ヴァンヘイレンのモニターエンジニアであったジェリー・ハービー氏がUltimate Ears社を創業し、開発されたイヤーモニターは、高い装着感、優れた音質、耐久性から、その後ワイヤレスイヤーモニターシステムを牽引。2009年UE社を売却後、設立したJH社にて手腕を発揮しています。 もう一社、カスタムイヤーモニターで重要な位置を占めるのが、マイケル・サントゥッチ氏率いるSensaphonics社です。サントゥッチ氏は聴覚専門家としていかに音楽家の耳を守るかという視点から製品開発に取り組み、音圧規制やシリコンを用いたディープシェルに高い思想が込められています。 特に外耳道残存容積を減らすことで、外耳道閉鎖効果を低減し、特にボーカリストで問題になる自声の響きに対処するという発想は、まさにオーディオロジストならではのもので、国内においても高い評価を得ています。顎関節の影響に対しても、シリコン材料を自社開発するなど、高い技術を有しています。 Se...