イヤホン、ヘッドホンをしながらの自転車の運転がなぜ危険なのか、あたり前の事ですが、その理由を知り、理解する事が「音楽をより楽しむ」ことにも繋がります。
3月3日はひな祭りであると同時に、その語呂合わせから「耳の日」とされています。先日弊社社長がツイッターで耳をふさぐ事での危険性についてツイートしていましたので、この機会に耳の機能、役割について知って頂き、大好きな音楽をより楽しく、安全に聞くためのヒントとしてまとめてみました。お時間がかる時にでもご一読下さいませ。
また周りの方にも音楽を聴くときの3つの約束として「安全な環境・場所で」「ボリュームに注意」「ときどき耳の休憩を」を広めて頂ければ幸いです。
自転車でイヤホン、大き過ぎる音量、音楽の聞きっ放しなど「なんでやっちゃダメなの?」、「気をつけなきゃならないの?」。この理由を知る事がSafe Listeningの目的とツイートしましたが、まとまった文章を読むのって面倒ですので、日曜日の昼下がり、こちらに垂れ流してみます(笑)。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
ヘッドホンやイヤホンを使うとどこでも気軽に音楽を楽しむことができますが、反面どうしても周囲の音は聞こえづらくなります。イヤモニはその最たるものですが、一般的な密閉/開放型の製品でも、製品が持つ遮蔽性に加え「再生される音楽」により周囲で発生している音は大きくマスキングされます。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
左右の耳はそれぞれ協調しながら、自分を取り囲む音をキャッチ/処理し、「自分が置かれている環境を常時モニタリング」しています。目が捉える情報は基本的に視野に限定されますが、耳は周囲360度(また上方や下方についても)が対象となります。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
右から音が聞こえてくればその発生源は右にある。当たり前と思える事ですが、実際には音の発生源からまず右耳の鼓膜で空気振動が捉えられ、その後「頭が影となりその音が減衰/音質変化しつつ僅かに遅れて左耳の鼓膜に到達」し、一連の情報が脳に伝えられて「あっ、右側から音がした」と感じています。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
右耳にイヤホンをしてラジオを聞いていた時、やはり右側から音が出たらどうでしょうか?右耳は塞がっていますので、頭を迂回した音が左耳だけに到達し「あっ、左側から音がした」と感じるでしょう。もしくは左右のバランスを欠いているため、「音はしたけどどこからの音だ?」と感じるかもしれません。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
勿論、実際には音声情報だけではなく、視覚や嗅覚、触覚など様々な情報が統合的に処理されますので、それだけで間違った結果に繋がる訳ではありません。右側に何かランプが点滅しているのを見れば、その視覚情報と組み合わされ、左側から聞こえてきたはずの音を右に感じることもできるのです。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
「ならば耳に頼らずといいじゃないか」。確かに安全確保や危険察知において視覚情報は極めて大きなウェイトを占めますが、あくまでそれは視野の中です。耳は視覚ではキャッチできない視野外の情報も扱うことができ、これが後方から接近する車のような危険情報をいち早く得る上で大変重要となります。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
また音の発生源が同じ視野内にある場合には、視覚と聴覚情報が組み合わされることでその内容は強化されます。アクション映画の非常に迫力のあるシーン、もし音が無かったらその迫力は伝わるでしょうか?視覚聴覚と個別に分けて考えるのではなく、各感覚の協調や情報の強化を考える事が極めて重要です。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
音の発生源の特定やその移動、音が持つ意味を知る上で、情報はなるべく多い方が正確な判断をすることができます。「自分にとってこれは危険な音なのか?」「振り返って目で確認した方が良いものか?」こうした判断を無意識のうち瞬時にすることで、身の回りの危険から自分を防御することができます。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
先日テレビで「イヤホンで音楽を聞きながら自転車に乗っていると、視点が固定化される」という実験結果が紹介されていました。環境が発する音やその変化する情報が遮断することで、本来連動して視点を動かすための「注意フラグ」が脳に伝えられずに、ある一点に留まったままになるとも考えられます。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
環境音に含まれる危険情報の察知と解析は、無意識下で常に行われています。歩道の無い道で後ろから車やバイクが近づく。ホームに電車が接近する。「あ、このままだとぶつかるかもしれない。後ろを目で見て確認し、危なかったら危険回避行動をとろう」などと思わず、無意識にちょい横に逃げるんです。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
その一瞬の判断が生死を分ける事があります。特に自転車に関しこの話がフォーカスされるのは、自分が止まっている、歩いている時よりも、その「生死を分ける判断のための時間が非常に短くなる」からなんです。駅のホームも、自分は歩いてても電車は走っているため、同じくその猶予時間が短くなります。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
その一瞬の判断が生死を分ける事があります。特に自転車に関しこの話がフォーカスされるのは、自分が止まっている、歩いている時よりも、その「生死を分ける判断のための時間が非常に短くなる」からなんです。駅のホームも、自分は歩いてても電車は走っているため、同じくその猶予時間が短くなります。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
耳は会話や音楽鑑賞といった日常の意識的な行動で活躍するとともに、置かれた環境の把握や危険の早期発見という無意識下での機能を持っています。なにか自分にとって危険が生ずる可能性がある場所では、— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
「なるべくその耳の働きを邪魔せず、最大限その能力を発揮してもらうこと」
が大切です。
「自転車でイヤホンすると危険!」を説明するためには様々な視点が必要で、またそれをしっかり理解しないと「まーいーじゃん」という結論にも陥りやすいわけです。時には「うるせぇなぁ」と思うかもですが、「当たり前の理由を知ること」は、実はより深く音楽を楽しむ上で大きなヒントにもなるんです。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日
Safe Listeningとか聴覚ネタ、まーまた思いつきで垂れ流すかと思いますが、ひまつぶし程度にでもお付き合いをいただければ幸いです(笑)。— ロッキー須山@SafeListening (@kindo3) 2016年2月28日