ダイナミックレンジの話から昨今のハイレゾ音源とアナログレコードvsCDの議論とか…

前回のダイナミックレンジを活かすという話、改めて考えてみると音の大きさに限界のあった時代、音を「聞かせる」だけでは伝わらないという現実もあり、観衆を音に集中させ、積極的に「聞く」ような表現を、経験的に作り上げてきたのではと思います。

曲全体の構成、担当する楽器、ワンパッセージの中のタッチすべてにおいて、ダイナミックレンジ方向の時間軸に伴う変化に富んだ作品は、深い印象を与えるとともに、観衆の内耳に働きかけ、実際の音量を上げることなしに、聴感上のボリュームを上げ、生理的SRといった働きもあったのでは。



で、ダイナミックレンジの時間軸変化の話で思ったのが、昨今のハイレゾ音源とアナログレコードvsCDの議論で、すでにどこかで結論とか出てるのかもしれませんが、周波数帯域でこれらをヤッつけようとすると、聞こえてないのに聞こえてる的なことになっちゃいがちです。

レコードの方がCDより「良い音!」と思うことも多々ありますが、なんでもかんでもレコードが良い訳ではなく、高音質を前提としたカッティング用マスターを高い技術でカッティングしたものに限られ、無論音質バランスも重要ながら、多くの場合はカッティングレベルに依存します。

ってことで、あーそーか、ダイナミックレンジ(に関しては規格的にそれって有意性ある?って話もありますが)の、時間軸変化の連続性(これはどれだけハイレゾになってもかないません)じゃん、ってことで仮定すると、ハイレゾもレコードvsCDも矛盾無く理解できそうだぞ(ってそうなのか?<俺)。

70dB〜80dBの環境騒音下でオープン型を利用すると、どうしても下限は高い音圧で規制されてしまう一方、上限は静かな場所でも騒がしい場所でも変わらないため、結果的には非常に狭いダイナミックレンジの中で音楽を聞く事となります。

小さい音に合わせてボリュームを上げれば、大きな音はうるさ過ぎ、大きな音に合わせてボリュームを下げれば、小さな音は聞こえない。音楽の全体像を掴む事ができず、ある音色における時間的な変化も、聞こえてくるのは水面に上がった部分だけで寸断されることとなります。

オープン型が音質的に劣っているような話になってしまいますが、これは使用環境に適していないというだけのことです。オープン型ならではの開放感や、大型ドライバを使いやすいというメリットは、静音環境では密閉型以上の良さも追求できる特徴も持っています。